筋肉を付ける(筋肥大)のに効果的なプロテインの種類と飲み方。摂取タイミングを知って、筋トレ効果を最大化しよう!
筋肥大させるオススメのプロテインで効果的に筋肉を付けよう!飲み方や飲む時間帯は?
プロテインは原材料の種類、製法などにより異なる特徴をもっています。当然、自分の目的に合わせたプロテイン選びが大切となりますが、今回はその中でも筋肉を付ける(筋肥大)のに効果的なプロテインに焦点を絞ってお話ししたいと思います。
目次
筋肉づくり(筋肥大)にベストなプロテインとその特徴とは?
効率的に筋肉を付けていくにはいくつかのポイントがありますが、その中の一つに効果や特徴の異なるプロテインをうまく使い分けることが挙げられます。
使い分けは、筋肥大目的でプロテインを飲む方の中でも実践している人が多い方法でもあるため、比較的ポピュラーな方法であるといえます。
では、なぜ筋肉づくりにはプロテインの使い分けが必要となるのでしょうか?
そのあたりの疑問も解決しながら筋肉づくりに効果的なプロテインについて紹介していきます。
筋トレ直後であれば吸収がスムーズなホエイプロテイン
筋肥大において定番となっているのがホエイプロテイン。
ホエイプロテインの大きな特徴は吸収スピードが他のプロテインと比較しても非常に速いということが挙げられます。
簡単に言うと、筋トレで負荷をかけた直後は、筋組織が非常にタンパク質を欲しがっている状態になります。
そのため、できるだけ早く体内に吸収させる必要があるため、筋トレ直後にはホエイプロテインのような吸収スピードに優れたプロテインが必要となるのです。
また、ホエイプロテインには必須アミノ酸であるBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)が多く含まれているのもポイント。BCAAはアミノ酸として筋肉の元にもなりますが、筋トレ直後には筋肉の分解を防ぐ役割も担っています。
筋肉づくりには必須となるBCAAは筋トレなど激しい運動により、失われていく栄養素でもあり、分解を防ぐ上でも大切なアミノ酸の一つなのです。このような意味でもホエイプロテインは、ダメージを受けた直後の体に非常に適しているプロテインといえるでしょう。
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テーマから少し外れますが、筋トレ直後の栄養補給にはもう一つ大切な栄養素があります。
糖質です。
筋トレで使用する際の主要なエネルギーは、筋肉に蓄えられているグリコーゲンという糖分となります。
グリコーゲンが不足することで、体は筋肉を分解して糖分を作りエネルギーにする働きがあります。それにより、結果的に筋量の減少を引き起こしてしまうことになってしまいます。このような状況を防ぐと同時にエネルギーを補充する役目が糖質にはあるのです。
「筋トレ後は、おにぎり1個やバナナ1本などを摂りましょう」とよく言われますが、このような理由から摂取が推奨されているわけです。
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筋トレ直後以外の時間帯におすすめのカゼインプロテイン
ホエイプロテインと比較すると吸収時間が緩やかなのがカゼインプロテイン。
ホエイと同じく牛乳を原料としたプロテインですが、一般的に(個人差あり)ホエイプロテインの吸収分解時間が約2時間なのに対してカゼインプロテインは約7時間~8時間ほどかかるといわれています。
筋トレ直後などのスピード対応が必要となる時間帯には不向きですが、逆にこの吸収の遅さがメリットになることもあります。
特にカゼインプロテインが活躍できる時間帯は就寝前です。
就寝中は当然のことながら長時間、栄養補給ができないためミクロの世界でみると筋肉の分解が進みやすい時間帯であると言えます。
そのため、カゼインのような栄養供給について持続性のあるプロテインは、長時間に渡りタンパク質を摂取できない時などに非常に適していると言えます。
もちろん、就寝前にホエイプロテインを摂取しても一定の効果はありますが、中長期的にみるとカゼインほどの効果は得られないでしょう。1日単位では目に見えませんが、それが積み重なると、その差は歴然とまでは言えませんが、カゼインの方が筋肉量は多い傾向になることと思われます。
また、就寝後1~2時間後には成長ホルモンが大量に分泌されるのですが、就寝前にプロテインを飲んでおくことで、そのタイミングを狙い撃ちできます。
つまり、成長ホルモンが分泌されているときに、きちんと栄養が届けられることで、筋タンパク質の合成を効果的に促すことができるのです。就寝前のプロテインはこのような効果も期待されての摂取タイミングとして奨められています。
このタイミングだけを考えればホエイプロテインでも問題ありませんが、やはりその後の分解を低減させるためには朝までアミノ酸を供給できるカゼインに軍配が上がります。
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効果的な摂取タイミング
以上の点から、筋肥大において最も好ましい使い分けと必要最低限のタイミングは、
筋トレ直後に「ホエイプロテイン」、
就寝前に「カゼインプロテイン」
であることが分かります。
筋肥大を効果的に進めたい人は、この2つのタイミングと使い分けを続けていくことで、きっと筋肉づくりに役立つことになるでしょう。
また、下記で解説しますが、筋トレをしない日(休養中)も飲むことでさらに効率的に筋肉を成長させることができます。
もっとも休養中については通常の食事から、しっかりとタンパク質が摂れていれば、プロテインから摂らなくても構いません。
ただ、吸収効率などを考慮すると食事だけからのタンパク質摂取よりもプロテインと並行した摂取が効果を最大化する上では有効であると言えます。
予算との兼ね合いもあると思いますので、予算的に問題が無ければ筋トレしない日もプロテインと食事を並行し、難しければ食事からしっかりとタンパク質を摂るようにしましょう。
休養中のプロテイン摂取のタイミングについては、前の栄養補給から一定の時間が空いたタイミングで摂るのがよいでしょう。
例えば、朝。就寝前に摂取したカゼインによる栄養供給が終わるタイミングで摂取するわけです。
あるいは、夕方、または夕食2時間前。昼食による栄養供給が終わるタイミングを狙います。
このタイミング摂るプロテインは、ホエイプロテインが適しています。
さらに、栄養の滞りを徹底的に防ぐために、昼食が12時だとしたら、15時ごろにカゼインプロテインを摂るものよいでしょう。
大切なのは、自分が続けやすいタイミングで摂ることです。上記のタイミングで自分が摂りやすいタイミングが分かったら、それを継続していくようにしてみましょう。
”最も”効果的であるとは言えないが、乳製品にアレルギーがある方や女性はソイプロテインもおすすめ
ソイプロテインは大豆を原料にしたプロテインです。腹持ちが良いため主にダイエットをする方に人気で、しっかりと筋肉をサポートする効果も期待できます。
しかし、ガチガチの筋肉づくりに励む方の間ではホエイ、カゼインと比較すると使用率そのものは決して高いものではありません。
その理由の一つとしてスムーズな筋肉づくりを妨げる可能性があるというのが挙げられます。
これは、コネチカット大学の研究者に発表によると、筋肉疲労の回復や筋肉づくりの目的でソイプロテインを飲む男性はテストステロン値が大きく減少するのに加えて、ストレスホルモンでもあるコルチゾールが増加するとのこと。
テストステロンというのは男性ホルモンの一種であり、筋肉づくりには欠かすことのできないホルモンの一つです。テストステロンが減少することにより起こる体の変化は、筋肉量の減少やそれに伴う筋力の低下などが挙げられます。
ただし、ソイプロテインも大豆を原料にした食品であることには変わりありませんので、過剰摂取しなければ影響は大きくないと考えられます。もちろん、しっかりと筋トレしながら摂取することで筋肉は発達します。よって、筋肥大を効果的・効率的に促すことにおいては、「ホエイやカゼインに比べてソイは劣る」。このくらいの感覚でとらえておくとよいでしょう。
また、あくまで筋量の減少については「テストステロンが減る」ことによる変化であり、「もともと少ない」こととは意味が異なることは認識しておく必要があります。
例えば、女性です。
女性は、もともとテストステロンが少なく(無いわけではありません)、エストロゲンといった女性ホルモンが優位にあります。そのため、女性は男性のように筋肉の成長は大きくなく、筋量も相対的に少ない傾向あります。これは男女の体つきを見れば一目瞭然であります。
それがゆえに、女性は筋トレをしてもムキムキになりにくく、男性並みかそれ以上に頑張って筋トレするくらいが洗練されたスタイルづくりには効果的であると言われるゆえんです。もちろん、女性も本来のテストステロンが少なくなれば、ミクロの世界では筋量減少の一因とはなり得るでしょう。
加齢もテストステロンの減少に影響を及ぼします。中高年にさしかかった方が内臓脂肪が増加して身体的変化が起こりやすいのは、このテストステロンの減少も大きく関係しているといわれているのです。
また、ストレスホルモンともいわれるコルチゾールの増加も筋肉づくりを行う上ではデメリットの一つです。
コルチゾールに関して一般的には人の体においては必須のホルモンでもあり、糖質コルチコイドの一種となります。本来は免疫機能の調節や、腱や靭帯の修復、また脂肪燃焼の過程を促進するという役割も担っており正常な分泌量であれば何ら問題はないとされているホルモンです。
しかし、コルチゾールは別名・カタボリックホルモンともいわれており、体内の分子を分解する作用があることがわかっています。この分解は当然、筋肉にも及ぶため最悪のケースに陥るとプロテインを飲んでいるのに筋肉量が減少する可能性も決して否定はできないのです。
影響は軽微であるにせよ、このような特徴がソイプロテインにはあるため、筋肥大目的で筋トレを行う方の間では敬遠されている傾向にあります。
ただし、植物性のタンパク質の中では珍しく必須アミノ酸を全て含むタンパク質であるため、筋肉を作る過程においては最も利用効率の良いタンパク質ともいえます。
そういう意味では、筋肉の密度を高める上で効果的であると言え、できる限り筋肉を大きくしたくないような女性やダイエット向きのプロテインであると言えるかもしれません。
また、乳製品に対してアレルギーを持っている方も牛乳を原料とするホエイ、カゼインの代替として利用できます。最も効果的であるとは言えませんが、乳製品に対するアレルギーや苦手意識が強い場合は取り入れる価値は十分になります。
吸収時間に関しては約5~6時間ほどであり、どちらかといえばカゼインプロテインの性質に近いプロテインといえるでしょう。筋トレ直後などには不向きなのがネックです。
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筋肉づくり(筋肥大)には、筋トレ・休養・栄養補給のどれもが必須
筋肥大を起こすには筋トレで筋肉に負荷をかけるだけでなく、適切な休養、栄養補給も欠かせません。
筋肉の成長は、簡単に示すと下記のようなフローをたどります。
1.筋トレにより筋繊維がダメージを受ける
↓
2.筋細胞が回復する
↓
3.筋肥大・発達
この2の回復過程で栄養摂取と休養が超重要になってきます。
筋細胞はダメージを受けてからタンパク質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養を摂り入れることで回復していきます。
そして、回復した後の筋細胞は、ミクロレベルで以前よりも太く発達し、これが積み重なることで初めて筋肉が付いた(筋肥大)ことが実感できるようになります。
そのため、筋トレ一辺倒で適切な休養・栄養補給をおろそかにしている方は、うまく筋肉づくりを進められなくなってしまいます。追い込んで筋トレしたのに休養や栄養が不十分だったら、逆に筋肉が細ってしまう事態にもなり兼ねません。
そのため、上記でも述べたように筋トレ直後や就寝前だけでなく、筋トレを行わない日もプロテインの摂取、または食事から十分なタンパクを摂取し、筋肉の回復に必要な栄養を供給してあげましょう。
プロテイン(タンパク質)には傷ついた筋肉を速やかに回復させ、合成を促す役割があります。このことを休養中も十分に意識して筋トレ効果の最大化に役立てて下さい。
積極的休養も疲労回復に有効
今回はプロテインの種類や特徴などを中心に解説してきましたが、筋肉が付くまでには筋肉はさまざまな栄養素が必要となり、適切な休養も必要となることが分かりました。
一般的に筋肉がダメージを受けると完全回復までは1日~3日かかる(部位や強度による)といわれています。そのため、プロテインに関しては回復過程を含め、できるだけ毎日摂取しておきたいものです。
もし、回復が遅いようであれば、ストレッチ、軽いジョギング、ウォーキングなどの軽めの運動を取り入れてみるのもおすすめ。このように回復過程で軽い運動を取り入れることを積極的休養と呼び、疲労の回復が促進されるとされています。回復が遅いと感じる前に習慣として取り入れるのも有効になります。なお、慢性的な疲労や痛みが続くようであれば、筋膜リリースなどで原因となっている根本を解消することも有効です。
筋トレ、休養、そして栄養補給の3つを習慣にし、筋肥大を効果的に進めていきましょう。