糖質制限ダイエットとケトン体ダイエットの違い。方法や妊娠中の注意点は?
世間にはさまざまなダイエット法が登場していますが、その中でも糖質を制限する糖質制限ダイエットは、メジャーなダイエット法になりました。
そんな中、最近注目を集めているのがケトン体ダイエット。
エネルギー不足が起こると体内で作られるものをケトン体と言い、体に蓄積されている脂肪を分解して減量を目指す方法です。
しかし、糖質のエネルギー制限によって痩せるという方法は、糖質制限ダイエットと似ていますよね。
そこで今回は、糖質制限とケトン体ダイエットとは何か、気になる違いをご説明します。
目次
糖質を制限すると痩せる理由
糖質制限ダイエットとは、食事に含まれる糖質の摂取量を制限することで、体内に蓄積された脂肪を燃焼させるダイエット法です。
糖質は砂糖が入っているお菓子やフルーツを始め、他にも主食であるご飯やパン、麺類などにも多く含まれています。
現代ではパスタや丼もの、スイーツなど糖質や炭水化物がメインになっている料理がとても多いことが、肥満人口が増加する原因の一つとも言われています。
私たちは一日に摂取するカロリーのうち、約半分が炭水化物や糖質で占められているため、これを制限することで短期間でも大幅な減量が期待できるダイエット法なのです。
糖質は体内のインスリンがエネルギー源のブドウ糖に分解して全身に運んでいますが、それと同時に脂肪細胞にもエネルギーを供給。
そのため、糖質のうち消費されなかった分は脂肪として蓄えられていきます。
反対に、糖質の摂取量が足りずにエネルギーが必要になれば、体は元々蓄えられていた脂肪をエネルギー源として燃焼していくため、ダイエットへとつながるのです。
ケトン体ダイエットとは?
それでは、糖質制限ダイエットに対してケトン体ダイエットとはどのようなものなのでしょうか?
そもそも「ケトン体」は肝臓で作られている成分で、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸の3つの物質で構成されています。
このケトン体はエネルギー源であるブドウ糖が体内で不足すると、脂肪を燃焼させようと大量発生する物質です。
本来私たちの体はブドウ糖しかエネルギー源として使えませんが、食事が摂れずに糖質が不足した場合は、緊急措置として肝臓がケトン体を発生させてエネルギーとして使い出すことで生命維持が可能。
ケトン体ダイエットは、あえてエネルギー源になる糖質を制限することで、血液中のケトン体を増加させて「ケトーシス」状態を作り出す方法なのです。
ちなみにケトーシスとは、糖質が不足したことで脂肪の分解が起きている飢餓状態のこと。
エネルギーとして体内の脂肪を燃焼させるので、ダイエット効果が期待できる上、空腹も感じにくくなり食べ過ぎ防止効果があります。
ケトン体ダイエットのやり方は?
ケトン体ダイエットはあらかじめ決められたスケジュールに沿って進めていきます。
初めの2週間
ケトン体ダイエットの最初の2週間は、1日に摂取する糖質の量を20g以下にするのが目標。
20g以下にするにはご飯などの糖質を控えるのはもちろん、甘みのある調味料も制限していきます。
こうして糖質を極端に制限することで、ケトーシスの状態を作り出し蓄積された脂肪を燃焼させます。
2週間が過ぎたら
初めの2週間が過ぎたら、徐々に糖質の摂取量を増やして体を慣れさせていきます。
とは言っても、いきなり元の摂取量に戻してしまうとリバウンドの原因になるため、一日100g程度の制限を2~3か月継続します。
この食生活をある程度続けていくことで、ケトン体を作っている肝臓の働きがダイエットを終えても継続され痩せやすい体質のままでいられるダイエット法です。
糖質制限ダイエットとケトン体ダイエットの違いは?
それでは、とても似ているように思える糖質制限ダイエットとケトン体ですが、どんな点が異なるのでしょうか?
糖質制限をする期間の違
糖質制限ダイエットは、基本的に期間を設けず炭水化物を適度に控える生活を続けるダイエット方法です。
たとえば、夜だけ炭水化物抜きや一日2食糖質を控えるなどの生活を継続することで、体内に脂肪が蓄積されるのを防ぎ、痩せやすい体を作っていきます。
それに対し、ケトン体ダイエットは長くても2~3か月の短期集中のダイエット法。
長期間極端に糖質を制限し続けると、栄養が不足して体調を崩してしまいます。
徐々に炭水化物や糖質の摂取量を増やしていけるので、まずは2週間の短期間挑戦してみたいという人におすすめです。
糖質摂取量の違い
ケトン体ダイエットは、初めの2週間に摂取できる糖質がわずか20gと極端に少ないです。
それに対し、糖質制限ダイエットは制限がゆるく、一日一食のみの制限から100g程度の摂取量など自由な調整が可能です。
そのため、糖質制限は炭水化物をどうしても全食抜くのが難しいという人でも続けやすく、ほぼストレスフリーなダイエット法です。
その分ケトン体ダイエットよりも体重の減少も少ない傾向があるため、どちらかと言えば長期型のダイエット法です。
ケトン体ダイエットの注意点
どのダイエット法にも言えることですが、制限を行うことで体調不良を引き起こすことがあります。
特にケトン体ダイエットは本来体に必要な糖質を極端に制限するので、体が飢餓状態になり糖質不足からめまいや吐き気、頭痛などさまざまな体調の変化が起きる人も多いです。
もともと体調が優れない人や持病がある人は、ケトン体ダイエットを控えるようにしましょう。
また、妊娠中や授乳中の女性は要注意です。(このような方は、必ず医師に相談した上で取り入れるかどうか決めて下さい)
短期間で痩せられるダイエット法として人気ですが、妊娠中・授乳中は赤ちゃんへ栄養を渡すために普段よりもたくさんの糖質の摂取が必要です。
そのときに無理に糖質の摂取を控えてしまうと、お腹の赤ちゃんの発育に影響が出たり、母乳の出が悪くなったりすることも。
自分の体調と相談しながら、ケトン体ダイエットに挑戦していきましょう。
終わりに
このように糖質制限ダイエットとケトン体ダイエットは、痩せるメカニズムは全く同じもの。
ただし、糖質を制限する期間や摂取できる量に違いがあります。
どちらも本来体に欠かせない糖質をカットするダイエット法なので、体内に蓄積された脂肪を短期間で燃焼させる効果があります。
しかし、糖質制限をすることで体調を崩す人もいるため、無理のない範囲でダイエットを行うことを第一に考えていきましょう。
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