下腹部をへこますレッグレイズのやり方と腹筋を引き締める効果的な筋トレメニュー
目次
レッグレイズとは?
レッグレイズは、下腹部を鍛える最もポピュラーな腹筋トレーニング種目のひとつです。
仰向けに寝た状態から、脚を上げ下げして下腹部に刺激を入れるわけですが、実際には股関節の動作(屈曲)で腹直筋が収縮するわけではありません。
股関節の屈曲は主に腸腰筋が働くことで、その動作が可能になるのですが、なぜ股関節の屈曲動作を行うレッグレイズで下腹部を鍛えられるか?
キーワードは、アイソメトリック収縮。
アイソメトリック収縮は、筋肉が伸びも縮みもしない状態で持続的に力を発揮する筋収縮ですが、この作用を使って下腹部に刺激を加えることになります。
では、なぜそのような動作をしないと下腹部を効果的に鍛えられないかというと、一般的なクランチでは腹直筋の上部をメインに鍛えることになるからです。
もちろん、クランチでも下腹部を含め、腹直筋全体が収縮しているのですが、筋肉は動作が始まる地点からの収縮が強くなるので、上部は強く刺激されるが、下腹部は上部に比して刺激が低減してしまうと言ったことが起こります。
そこで、バランスよく鍛えるべく考え出されたのが、下腹部トレーニングの王道「レッグレイズ」なのです。
主として上部を鍛えるクランチ、主として下部を鍛えるレッグレイズ。
このことから、腹筋をよりよく鍛えるには、クランチとレッグレイズを組み合わせるのが有効になります。
ぜひともクランチと一緒にレッグレイズも行ってみ下さい。
レッグレイズのやり方
やり方は、動画をご覧いただくとして、ここではポイントに絞って解説したいと思います。
まずは、動画をご覧ください。
動画のようにレッグレイズは、仰向けに寝た状態で脚を上下(股関節の屈曲・伸展)させる種目ですが、いくつかポイントがあります。
手の位置は、一般的には2つ目の動画のように体の横に伸ばして床を押さえつけるように固定するのですが、1つ目の方法と2つ目の途中で解説しているように尻と床の間に手を挟んで行うパターンもあります。
この方法の場合、腰への負担を軽減することができます。
手を挟むことで腰が落ちて、反りが抑えられることで負担を減らします。
ということで、腰が痛いとか、違和感がある人は手を入れて行う方法が安全です。
ただし、手を体の横に置いて行う方法にもメリットがあります。
この一般的な方法では股関節の負担を減らすために代償動作が働き腰が反ってくるといった現象が起こります。これにより腰に負担がかかるんですね。
これは裏を返せば、股関節の働きが十分ではないことを示していて、下腹部への刺激も反らない場合に比べ劣ってしますことになります。
そのため、股関節の働きを十分に生かすためには腰の反りを抑える方法を検討する必要があります。
その場合に用いられる方法が、腹部を固めるやり方です。
いわゆるドローインの状態を維持して行うことで能動的に腰の反りを抑え動作する形をとるのです。
具体的には、お腹をへこませ床にお腹を付けるくらいのイメージで腹部を絞る形になります。これを動作している間、保持します。
そうすることで腹部が固まり、腰の反りが抑えられた状態で動作できます。
また、ドローインの状態を維持して行うわけですから、下腹部への負荷が高まると同時に腹筋全体が刺激されることになります。
この方法では、股関節と腹部への意識を同時に行う必要があり、体力と神経を消耗しますので、初心者には少々難しいトレーニングになってくるかも知れません。
ただ、はじめからこの方法を取り入れ、実践していくことは、正しい動作の矯正という面でも有効となります、
少しずつでいいので、まずは動作と姿勢を確認しながら、実践していきましょう。
次のポイントは、反復している最中は床に足を付けないことです。
例えば、10回を目標に反復しているとすると、その間は床に足を付けません。
つまり、常に脚は中空に浮いた状態で動作します。
はじめの内はきついと思いますが、この方法で下腹部には常に刺激が加わった状態になりますので、効果を十分に得ることができます。
疎かにせず頑張って反復してみまょう。
レッグレイズの効果
腹筋は抗重力筋で姿勢を安定させる役目のある筋肉です。
そのことから、下腹部を鍛えることで骨盤をニュートラルな位置に保持することができ、姿勢の安定、美しい姿勢づくりに役立ちます。
また、上記でも説明したように股関節の屈曲というレッグレイズの動作は腸腰筋(腸骨筋・大腰筋・小腰筋を合わせて腸腰筋という)の働きによって可能となります。
そのことによっても骨盤の後傾を防ぎ(主に腸骨筋)、美しい姿勢を保つことにつながります。
同時に腸腰筋は脚を前に出す時に働く筋肉なので、ここを強化しておくことは歩行の安定に繋がることになります。
次にレッグレイズを取り入れる際に多くの人が効果を期待するのが下腹部の引き締め、へこます効果です。
上記でも説明しましたが、股関節の上下運動により、腹直筋下部がアイソメトリック収縮を起こします。
その作用を利用して下腹部へ刺激を入れ、引き締めされることになります。
より効果を得るためには、上記で述べたように腹部を固めることで腰の反りを抑え、動作中は床に足を付けないことです。
まずは、回数をクリアすることは考えず一回一回を正しい姿勢でできるようになることから始めてみましょう。
筋トレはボディメイクや健康維持・向上、自信アップなど心身を高めることにおいて、自分の力で必ず結果がでる数少ない取り組みのひとつです。
あきらめなければ、必ず結果がでます。
下腹部が気になっている人は、トレーニングを続けることを目標に取り組んでいきましょう。
レッグレイズの回数と頻度
一回一回の動作を正確できることからはじめ、マスターしたら10回を目標にトレーニングしていきましょう。
10回が楽にできるようになったら、回数を限定せずに1回もできなくなるまで繰り返すようにします。
セット数は、最初は1セットとし、慣れてきたら3セット行うようにしてみましょう。
頻度については、腹直筋は回復が早い筋肉なので、基本的には毎日行うことを目標にします。
ただし、筋肉痛が残っていたり、体調がよくない時は休むようにします。
極端に無理をすると効果を得られないばかりか、自分に対する無理な追い込みが継続を阻害してしまうことにもつながってしまいます。
続けることを第一にトレーニングに取り組むようにしてみましょう。
レッグレイズのバリエーション
レッグレイズは、脚を伸ばして(膝を伸ばして)行うのが基本ですが、この場合体力によっては負荷が高い場合があります。
そうなると体力が低い人などにとっては、不適切な負荷を強いられ、反復回数を増やせないと言ったことが起こり得ます。
これでは効果を十分に得ることができなくなってしまいます。
そこで、バリエーションのひとつとして負荷を減らす方法があります。
やり方は簡単です。
膝を曲げて動作を行うことです。
そうすることで、重心が体側に近づき負荷が軽くなります。
また、この場合も足を床に付けずに動作するため、膝を曲げた分だけ動作範囲も限定され、負荷が軽くなることになるのです。
脚を伸ばして行う方いいのか、膝を曲げて行う方がいいのか、実際に行って確認するようにしてみましょう。
膝を曲げて行う方法を採用し継続していく過程で、楽にできるようになってきます。
その際には、脚を伸ばして負荷を高めるようにしてみましょう。
筋トレにおいて負荷を高めていくことは効果を引き出す上で最も基本的な原理(過負荷の原理・漸進性の原則)です。
楽にできるようになったら負荷を高める。それは、ほんのわずかでも構いません。いきなり、真っ直ぐに伸ばす必要はありません。
例えば、レッグレイズの場合、膝を90度に曲げて行っていたとしたら、今度は少し膝の角度を広げる。こんな感じで大丈夫です。
このことを念頭にトレーニングを進めていきましょう。
腹筋全体を効果的に鍛えるメニュー
腹筋全体を引き締めたい場合やシックスパックを目指している場合は、腹筋をあらゆる角度から鍛える必要があります。
その場合にレッグレイズは下腹部を鍛える種目として取り入れられる種目の筆頭となります。
それ以外に腹筋緒上部、脇腹を鍛えることで腹筋をトータルコーディネートすることができます。
その際に取り入れると有効な種目が、クランチとツイストクランチです。
クランチで腹筋上部を鍛え、ツイストクランチで脇腹の筋肉・腹斜筋(外腹斜筋・内腹斜筋)を鍛えます。
やり方は、それぞれ下記のようになります。
【クランチ】
【ツイストクランチ】
腹筋を鍛えるメニュー・組み合わせは無数に存在しますが、レッグレイズ、クランチ、ツイストクランチの3種目を組み合わせることは、ある意味王道的な腹筋トレーニングのメニューになります。
これで負荷が足りないない場合は、回数やセット数を増やしたり、インターバルの時間を短くしたりすることで負荷を高めることができます。
それでも足りない場合は、別のトレーニングを組み合わせたり、臨機応変に変化を加えていくようにしてみましょう。
ハンギングレッグレイズとの違い
ハンギングレッグレイズ(外部サイト)は鉄棒などにぶら下がって行う下腹部の筋トレ種目です。
レッグレイズと動作は同じで股関節の屈曲、伸展を行うことで脚を上下させます。
違う部分は、大きく分けて「寝て行うのか、ぶら下がって行うのか」、「脚を下げるほどきついのか、上げるほどきついのか」、「腰への負担が大きいのか、腰への負担が小さいのか」、この3点です。
この中で最も注目すべき点が、腰への負担です。
具体的には、レッグレイズは工夫しないと腰への負担が大きなものとなってしまいますが、ハンギングレッグレイズは重力の影響で腰の反りが制限され、レッグレイズに比べ腰への負担が少なくなります。
そのため、腰に不安のある人は、公園の鉄棒、またはジムに行かれているならパワーラック、スミスマシン、チンニングマシンなどぶら下がれる器具でハンギングレッグレイズを取り入れた方が安全性は高められると言えるでしょう。
自宅でしかできず、器具もない場合は上で説明した腰への負担を減らす方法をしっかりマスターして実践するようにして下さい。
また、脚を下げるほどきつくなるのがレッグレイズで、上げるほどきつくなるのがハンギングレッグレイズです。
この点から、より下腹部の収縮を強調して行えるハンギングレッグレイズの方が強度がトレーニングであると言え、レッグレイズに慣れてきた場合など強度を高める上でハンギングレッグレイズが効果を発揮します。
そのため、強度を高めるバリエーションとしても取り入れることができる筋トレ種目になります。
このように腰の負担や強度の違いなどを把握し、状況に応じてレッグレイズとハンギングレッグレイズを取り入れるようにしてみましょう。