背筋(背中)を鍛える筋トレメニュー vol.1/男性は迫力ある背中を作り、女性はスタイリッシュな背中を実現

背筋(背中)を鍛える筋トレメニュー vol.1

今回は、自宅でもできる背筋(背中)を鍛えるトレーニングメニューを紹介します。難易度は中程度ですが、出来る範囲から行っていくことで、体力のない人や女性の方にも取りんでいただけます。

うしろ姿は自分で見られないので、意外とおろそかにしがち。でも、鍛えることで一目置かれるのも背中です。トレーニングしている人と、していない人の差が付く部位でもあるので、背中の筋トレを習慣にして、自信に満ちた背中を作り上げましょう。

メインで鍛えるのは、背中の大きな筋肉・広背筋、脊柱の両側から腰に掛けて走る・脊柱起立筋、補助として上背部に位置する・僧帽筋、広背筋の上に位置する大円筋、お尻の大きな筋肉・大臀筋を鍛えます。

メニューは、広背筋2種目、脊柱起立筋1種目の構成になっています。3セットずつ行ったとしても25~35分程度のトレーニングになりますので、背中をたくましくしたい人、引き締めて最高の後ろ姿・背中を作りたい人におすすめです。

背筋(背中)を鍛える筋トレメニュー vol.1

背筋(背中)を鍛える筋トレメニュー vol.1
種目 目標回数 セット数 セット間休憩
ベントオーバーローイング
(広背筋・大円筋・僧帽筋中部)
10回 1~3セット 60秒
チンニング
(広背筋・大円筋)
8~10回 1~3セット 60秒
スーパーマン
(脊柱起立筋・大臀筋)
10回 2~3セット 60秒
・3種目を2~3日おきにトレーニング(例:毎週月・木)
・筋トレ初心者は、1セットから始め、体力に応じてセット数を増やす。
・目標回数とセット数の下限と上限は体力合わせて各自設定
・12回できるようになったら、重量を上げて再度目標回数に合わせるようにする。以降繰り返す。
メインセットに入る前にメインセットの50~70%の重量でフォームの確認、ウォームアップとして1~3セット実施。(今回のメニューではベントオーバーロウイングのみ)
チンニングについては、ウォームアップとして4~5回を2セット行う。
スーパーマンについては、先に行った2種目をウォームアップとみなし、直接メインセットに入る.。
・種目間休憩は2分

腕のトレーニング同様に、自重トレーニングで広背筋に顕著な効果を出すには工夫と長期間のトレーニングが必要になります。

そのため、スムーズに効果を出し、モチベーションを維持するためには、ダンベル(女性はペットボトルからでもOK)とベンチ(または椅子)を使って効率的に筋トレしていくことが求められます。

また、ダンベルとベンチを用意しておくことで、いろいろなトレーニングに活用できますし、シムに行くよりもコストパフォーマンスは格段に高くなります。自宅にベンチが置けるスペースがあれば、ぜひ用意して下さい。

もちろん、今ジムに行かれている方は、ジムにあるダンベルとベンチを使ってこれから紹介するメニューを行うことができます。

筋トレを習慣にして、効果を引き出していきましょう。

筋肉の作用を知ることで、筋トレの質を上げることができる

広背筋は、脊柱の中央付近から上腕骨の上部に繋がる大きな筋肉です。

少し難しい表現になりますが、細かく示すと「腸骨稜と仙骨の後面・第7胸椎から第5腰椎までの棘突起・第10~第12ろっ骨(起始)からはじまり、肩甲骨の下端を通過して上腕骨の小結節稜(停止)に繋がっています。

上腕骨に繋がっているため、肩関節の動作で広背筋が作用することが分かります。もっと言うなら、腕を引く動作でします。

筋肉の作用を覚えておくだけでも、動作に際して重視するポイントがイメージしやすくなります。それによってトレーニングの質が上がり、結果的に効果に反映されるので、ぜひ覚えておいてください。

広背筋は背中の筋肉なので大胸筋や腹直筋のように全体を目視したうえでくまなく触ることが難しいですが、腕を回して反対側の脇の下に手を当てることで触ることができます。指で押すと筋肉の感触を得られると思います。ここが広背筋の上腕骨に近い側になります。

逆に今度は腕をうしろに回し、腰あたりから反対側の脇に向かって手を沿わせることで広背筋を確認できます。ただ、腰から脊柱付近は“腱”なので、筋肉の感触は得られにくく、
肩甲骨の下あたりまで手を伸ばすと感触を得ることができるでしょう。(筋トレをしていない一般的な人の場合。発達すると広範囲に渡って広背筋を感じることができる)

広背筋は、脊柱の中央付近から上腕骨の上部に繋がる大きな筋肉であると述べましたが、簡単に言うと、肩甲骨の下から腰までを広く覆う筋肉になります。

これは大胸筋が胸を広く覆う筋肉であることとも共通するところで、大胸筋と広背筋は拮抗筋として体を支え合っています。

広背筋が弱いと肩関節が前に引っ張られ(肩が前に突き出す)猫背など姿勢に影響してくることになります。ただ、大胸筋と広背筋の関係だけで猫背など姿勢に影響を及ぼすわけではありません。一因として重要な要因になると理解して下さい。

このことから、どちらもバランスよく鍛えることが大切になり、そうしないと筋量のアンバランスさだけでなく、姿勢などのスタイルにも少なからず影響することになるのです。

なお、広背筋を鍛えることで、男性であれば背中の厚みや幅を作り出すことができ、女性であれば背中のラインを整えることに繋がります。

背中を洗練させるためには、脊柱起立筋を鍛えることも大切です。背中の中心のラインを引き立たせると同時に、腰周りの引き締めより引き締まったイメージを与えます。

また、脊柱や骨盤を正しい位置・角度に保持する役目があるため、美しい姿勢づくりにも大きく貢献します。

骨盤については、脊柱起立筋によって後ろから引かれる力が働くことで、ニュートラルまたは後傾位を保持することができ、腹部を真っ直ぐ保つことに繋がります。これは、特に姿勢を原因としてお腹が前に突き出ている人に顕著な変化が現れます。骨盤が自然に立つことでお腹が引き込まれるからです。

脊柱起立筋は大きくなりにくい筋肉なので意外と軽視されがちな部位ですが、述べたように美しい姿勢づくりやスタイルアップに大きな影響を与えます。しっかり鍛えて、隙のない背中を作り上げましょう。

ベントオーバーローイングで広背筋を強く刺激する

1種目めは「ベントオーバーローイング」。広背筋を鍛える定番中の定番種目です。

上述したように広背筋は引く動作で収縮します。その動作を強調した種目がベントオーバーロウイングです。動画を見ての通り、引いていることが分かると思います。

下に垂らした腕(ダンベル)をお腹の方へ向かって引くことで、広背筋を強力に収縮させます。

ポイントは、引くときに脇を広げないようにすることです。

もちろん、広げても引く動作には変わりないので広背筋が収縮することは確かなのですが、肩の方へも負荷が移り、広背筋を中心に効かせることが難しくなります。そのため、はじめの内は重すぎない負荷でフォームをしっかりとマスターすることに努めましょう。

背中への意識としては、肩甲骨を内側に寄せながら、広背筋を中心に(背骨の方へ)寄せるイメージで動作するようにします。また、ダンベルの端をお腹に付けるようにすると正しい動作の軌道が通りやすくなります。

この種目では、収縮が強調されるため広背筋の厚みを作る上で効果が期待でき、男性であれば背中の迫力を作り出し、女性ではボディラインを整えることができます。

広背筋を意識しながら、しっかり効かせてトレーニングするようにしましょう。

チンニングで広背筋の広がりを作る

2種目めは「チンニング」。

チンニングは、いわゆる“懸垂(けんすい)“のことで、バーにぶら下がった状態から体を引き上げることで広背筋を刺激します。ほぼ全体重が負荷になるので、自重トレーニングの中では特に強度が高い種目に分類され、フリーウエイトやマシンに勝るとも劣らない効果が期待できます。

体を引き上げると表現しましたが、正確には腕を引いて体を上げる動作になります。体という負荷(おもり)を腕を使って引いているんですね。ラットプルダウンのおもりが体になったとイメージするとよいでしょう。

ポイントは、肘を外に広げながら(脇を開きながら)体を引き上げるようにすることです。

こうすることで、ベントオーバーロウイングとは違った刺激を広背筋に与えることができます。ベントオーバーロウイングが横からの収縮に対し、チンニングは斜めからの収縮になり、角度を変えた刺激が与えられます。

それにより、チンニングでは広背筋の広がりを付けるのに有効なトレーニングであるとされています。

ベントオーバーロウイングと組み合わせることで、厚みと逆三角形の横の広がりを付けることができ、広背筋の立体感をより強調することに繋がります。

動画では、ジャンプして動作を継続していますが、最初のうちは正しい動作を心がけ、それでいて可能な回数行うようにするとよいでしょう。

つまり、正しい動作で3回や5回しかできなかったら、そこで反復を終えるようにします。これを繰り返していくことで回数が伸びていき、目標回数出来るようになるでしょう。

その後、ジャンプする方法を取り入れて構いませんが、1セット目はジャンプなしで動作し、2~3セット目で目標回数に到達しない場合に限り、取り入れるようにしましょう。

女性や体力が低い人は、1回もできないかも知れません。でも、それで大丈夫です。

バーにぶら下がって、自分の力を精一杯引き出して体を上げる努力をして下さい。それで、ほとんど上がらなくても、肘を曲げることができなくても全力で行った結果なら、十分筋トレになっています。

それを繰り返すことで、次の週はもう少しあげられるようになり、2週間後にはさらに上げられるようになります。それを積み重ねることで、それに応じた筋力が付いてきますし、筋肉も引き締まってきます。

そしていずれは、体を引き上げることができます。2回目の反復も同様に引き上げられなくても全力で引き上げる努力をする。それを繰り返していくことで複数回できるようなります。

このように体力が低い人でも、今ある体力の範囲内で全力を尽くすことで、レベルアップしていきます。日常生活レベルよりも、少しでも力を使う(筋肉に過負荷をかける)ことから筋トレは始まります。継続していくことで、必ず成果は出るので、焦らず取り組んで下さい。

スーパーマンで脊柱起立筋を引き締める

3種目めは「スーパーマン」。

スーパーマンは動画を見ての通り、スーパーマンが飛ぶ姿勢に似ていることから名づけられた種目で、脊柱起立筋を鍛えることができます

背中を洗練させるために欠かせない脊柱起立筋ですが、顕著には大きくならない筋群でもあります。でも、脊柱起立筋を引き締め密度を高めることで、背中の美しさは格段に向上し、筋肉のラインが浮き上がることで、広背筋もより際立ちを見せます。

また、脚を上げる動作でお尻も鍛えられるので、腰とお尻の境が整い、腰周りのスタイルをアップすることができます。

スーパーマンは背面の筋群の調整役として有効になるので、ぜひ疎かにせずしっかりと取り組んで下さい。

しっかりと腰を反らすようにしますが、無理に反らすと背中や腰を痛める場合があるので、最初のうちは様子を見ながら徐々に反らす範囲を拡大していくようにすると安全です。

腰や背中の違和感がなく、無理なくできるようになったら、すべての反復でしっかり反らすようにしてみましょう。

脊柱起立筋は、抗重力筋として脊柱(背骨)を保持・安定させる役目もあります。鍛えることで美しい姿勢づくりにも役立ちますので、継続的にトレーニングすることをオススメします。筋肉と姿勢の両面からスタイルアップを目指していきましょう。

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